December
01
2008
このところ新型インフルエンザの記事が目立つ。行動計画を前面改定したことで話題になっているのだが、従来の政策の柱だった「封じ込め」を断念し「蔓延防止」に改めると言うことらしい。プレパンデミックワクチンなども増量するという。VIOZONEは「蔓延防止」が前提なので、これは一歩前進なのかもしれないけれど、被害想定値が少々甘すぎるのは前回と同様で非常に気になります。
いま、流行の兆しのある高病原性鳥インフルエンザは、すべて「高毒性ウイルス」であるにもかかわらず、高毒性のものは流行した実績がないということで「弱毒性」と判定しているため、想定は過去にパンデミックとなった「スペイン風邪」と同等の毒性なのです。これには、大いに疑問が残ります。
判りやすく言うと、「毒性の強いウイルスは、大流行(パンデミック)しない」という判断で、これは2000年以降発生し、人に感染している鳥インフルエンザがすべて高毒性であるという事実に反します。確かにいま、パンデミックとはなっていないのですから、政府の見解を100%否定する材料は無いのかもしれません。しかし、現実は感染者のうち致死率は60%を超えています。10人感染すると6人以上が死に至るという、とんでもなく恐ろしい事態なのです。もう少し、本腰を入れてこのあたりの研究や対策をやって欲しいと思います。
対策と言うものは、最悪の事態をきちんと想定しないといけないものだと思います。いたずらに社会不安を与える必要は無いにしても、「必ず来る」と言われているH5N1ですから、万全のケアに越したことはないということでしょう。
ちなみに、いま、不況と言うことで政府は景気対策を行っていますが、実際にパンデミックになったら・・・・その経済に対する影響は計り知れないものがあります。日本経済新聞社の試算で被害想定はたしか42兆円と出てましたが、海外の数値は桁が一つ上です。民間も政府被害想定を使いますから、そうなるのだと思いますが、諸外国と比較すると「大甘」なのです。
Posted by 有海啓介 | この記事のURL |