November
25
2008
アメリカの問題より、日本(自国)の問題の方が先決だという人がいます。目先、日本だってこの先どうなるかわからない、むしろ日本のほうが危機的な状況だという議論です。しかし、ならば余計にアメリカの問題を真剣に考える必要があるということでしょう?確かに日本の金融機関もサブプライム問題で大いに傷付いたでしょうし、一般企業も輸出に頼っていたなら、非常に苦しい状況になるでしょう。しかし、いまのアメリカの状況と日本を比較したら、どう考えてもアメリカの方が厳しいでしょう。雲泥の差があります。だからこそ、様々な意味で波及して、それによって日本経済が大いに影響を受けるからこそ、注視しなければいけないと思います。
そこで、今、アメリカではビッグスリー救済問題が暗礁に乗り上げています。日本から見ていて疑問に感じることは多いですが、何故シティグループ関しては非常に手厚い救済措置をスムーズに決定できて、GMは上手くいかないのでしょう?金融機関に対する救済の内容を見ていると、状況が徐々に厳しくなってきているから、という理由以外にどうも救済相手によって偏重していると感じるのです。金融機関の救済と言うのは非常に重要であるという意味はわかります。しかし、今回の一連の救済劇は、金融機関の取引先企業や、個人を救うためと言うよりも、現在の金融システムを温存しようという方向であるとすれば、それは少し方向が違うように思います。そして金融機関を救済することとGMを救済することは、本来同義のはず。こうなっ以上、金融機関が投資業務の失敗で本来の機能を果たせなくなってきたから、企業に対する責任が果たせないのだということを、もう少し重視してもいいと思います。
GMに関する記事を読んでいれば、それ以外に経営の方法等にも大いに問題があるのでしょう。しかしながら、非常に高賃金の労働力を大量に雇用しなくてはいけなかった状況、政府のエネルギー対策に翻弄された過去の経緯なども考慮しないといけないと思います。確かに販売不振になれば、政府に圧力をかけて日本車を締め出すとか、過去にはいろいろな甘えがあったことは事実でしょう。しかし、それよりももっと大胆なことを、シティグループなどはしてきています。サブプライムの資金源であり、ヘッジファンドの資金源であり、デリバティブ取引の立役者でもあります。モラルという点で、甲乙つけることをしても意味のない状況だと思います。
破綻した場合のその影響は、想像以上でしょう。実体経済に直接的に、短時間に非常に大きな影響が出ます。雇用の問題はもちろん、関連企業やディーラーは膨大な数におよび、流通在庫の毀損だけでそっれこそ膨大な金額になります。高額な商品ですから、クレジットも大きく毀損されることになり、アメリカの実体経済はほぼ、壊滅するでしょう。サブプライムローンは、大きな問題となっている現時点でも約7%ほどの毀損率です。みんな頑張って何とかローンの返済をしているのです。そういう経済状況をしっかりと見据えないで、正義感やモラルの問題で、処理することなどできるはずもありません。
アメリカにはGM問題についての選択肢はないのです。救済以外に道がないと思います。そのプロセスや方法論が、間違ったものでないように見守らないといけないですね。
Posted by 有海啓介 | この記事のURL |